2009/04/30(木)調査実習

2010/01/12 20:21 耐震調査 診断の会
木造住宅の耐震診断・耐震改修を考える会、9回に及ぶ机上の勉強会も終わり、今日は診断のための調査実習。
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正しい診断をするためには、正確な調査が必要です。考える会では机上の勉強だけではなく、実際の調査を会員が体験することで、古い木造住宅がどのように作られているか知ってもらうことが大切と考えています。過去の木造住宅は、設計者が監理しているものは少なく、たとえ監理されていても過去の甘い基準であったため、設計どおりの強度を確保していない建物が多いためです。

今回も昨年同様、全く初めてお伺いさせていただくお家です。

調査実習は建築主へのヒアリング、図面がないので間取りの把握、柱の位置、内壁の種類、基礎の状況、外壁、屋根裏、そして最後に床下の調査を行いました。
初めての調査実習の方も、経験済みの方もこれまでの勉強会での成果を発揮すべくてきぱきと作業を進めて行きました。多少の程度の差はあれ、現況の把握を皆さんしていましたが、最後の床下調査でほとんどの方が見落としていたものがありました。

それは蟻害、シロアリの被害です。

昨年調査実習をさせていただいたお家では、シロアリ被害はなかったのですが、残念ながらこのお宅には、明らかにシロアリの被害がありました。しかし、誰もそれに気付きませんでした、たった一人だけ蟻道に気付いた人がいましたが、どれほど被害が及んでいるのかは、把握できていないようでした。短時間での調査だったので、確定はできませんが土台が2箇所は10cm角の半分以上食べられていました、柱も食べられてスカスカになっているのがありました。シロアリは土台や柱の内側から食べて、木の表面には出てきませんので、シロアリの生態を勉強しなくては被害も発見できないのです。

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木造住宅の耐震診断を行う、10人近い建築士達がシロアリによって土台が食い散らされている状況を発見できないのです。建築工学の勉強はしていますがシロアリ被害がどうして発生するのか、ましてシロアリの生態などまったく知らないのです。木造住宅に発生するシロアリ被害の対策は、シロアリ駆除屋さんに任せるものだと考えているのです。こんなシロアリ被害を見逃していては、正しい耐震診断はできません、次回からはシロアリの勉強をしなければなりません。
木造住宅の耐震調査では建物の劣化を調査して、診断時にその劣化程度を決め、診断結果に劣化の低減係数を掛けて最終診断結果としなければなりません。もちろんシロアリ被害による程度をある程度正確に把握しないとその低減程度もつかめません。
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